
創刊号
〜コトバへの挑戦〜
- 【楽土】 清水かおり
- エリジウム踵を削る音がする
魚偏を取り出し妹をやめる
しずかにしないか既視の匙だろう
天啓はやましい 烈しい雨にあう
冷えながら芒の禁忌言い合へり
風景をつなぐ水の亀裂の向こう
夏あざみ 秋鰯雲 怯懦ひとこぼれ
来歴を叫ぶ頭上のおんどり
想のこと眼窩に溜まる雪のこと
兆すからあれは内緒と鉄を打つ
象形のたった一度をゆるませる
額深く撃たれてしまう禽と韻
日没に統べるモノ 質量を契る
空の製図の歪を売られたし
ジギタリス握る一体の朽野
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