
第2号
〜融解し浮遊するコトバ〜
- 【Melt down】 兵頭全郎
- +なく+
ヒエログラフ確かなことにいのちなく
板の間の間もなく月もしだれおり
砂はふるふる夜の奥にアサリなく
神はなく川は一回だけ曲がり
驟雨なく遠く遠くの豆もやし
御犬なく小屋の円弧が黒すぎる
ゆっくりはこわい 今日なく欄干
十二日なく夕焼けに浸ける夕日
干涸らびた光なく火の避難口
なく道よ 地平360度
+無題+
赤い他人が赤い私と立つ平野
煮崩した遺跡の出汁も乾くころ
迷路の壁に描く迷路の迷い方
輪から粉さては大人のトナーだな
+正+
山茶花のわんさか扉切られけり
新しい殻を洗った泡の午後
だらしないもしかしたらもない晒し
+省年時代+
おくおくおく おそれ あくあく あれそれ く
さくら缶 錯乱 落差から参加
リムジンは無人 神武の残りの理
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