
第2号
〜融解し浮遊するコトバ〜
- 運行 畑美樹
- 空なかばアリスはあぁと言ったきり
ささやきのそのはんぶんをしたたらす
まなかいにそっと忌野清志郎
肩幅も腰幅もあり月もあり
コバルトブルーの水をちいさく呑む
丸まって蛸の頭を剥いてゆく
ふるさとの正しい位置を便りする
さりげなく頬をたたいて見せる丘
ただ赤をただただ赤を開口部
天井いちめん山吹色のうみ
群集の小指の先の糸の月
菜の花を詰めてくるぶし完結す
雨だれの向こうに黙礼のカラス
六月を舐めてお返しいたします
陰干しの手ぬぐいという理由です
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